東京農業大学 x 経堂コルティ 未来の子どもたちのために、食材の旬と安心の知恵を知りましょう! すくすくコルティーレ

ビタミン、ミネラル豊富な優秀野菜「じゃがいも」

【安心ワンポイント】 スポンジなどで1個ずつよく洗います。新じゃがいもは、調理前に皮を軽くこすり取り、水にひたしておきます。芽はえぐり取り。皮の緑色の部分は厚めにむいて除去します。芽と緑の部分には、天然毒素のソラニンが含まれているためです。

じゃがいものは、ヨーロッパでは「大地のリンゴ」と呼ばれ、ビタミン、ミネラルをはじめ、様々な栄養が詰まった“優秀な野菜”です。体の免疫力を高め、風邪予防や疲労回復に役立つビタミンCは、みかんと同じ程度含まれています。しかも、じゃがいものビタミンCは、でんぷんに包まれているために加熱しても壊れにくいのが特徴です。

食物繊維は玄米並みに豊富。糖質を分解して脳のエネルギーとなるビタミンB1は白米の約3倍、塩分を排出し高血圧予防に効果的なカリウムも多く含まれています。低カロリーでヘルシー。電子レンシでの調理や、ゆでたりするときは皮付きのまま調理しましょう。味の面からもおすすめです。

選び方のポイント

表面が乾いていて全体がふっくらとした、でこぼこしていない形の良いものを選びましょう。皮が薄くてシワがなく、色が均一で新鮮なものが良品です。持ってみて硬く重量感があり、大きさが中位のものが、最も美味しいといわれています。大きすぎるものはスが入っている場合もあるので避けましょう。

じゃがいもは品種により特性が違います。「男爵いも」は、形が球状で芽のくぼみが深く、やや粉質であるのが特徴で、コロッケやマッシュポテトなどにして食べるとホクホクとして美味しく食べられます。「メークイン」は、やや細長く丸い卵型で芽のくぼみは少なく、粘りがあり煮崩れしにくいという特徴があります。煮物やカレーライスの食材としてよく使われます。「キタアカリ」は中身が黄色っぽく、味が良いことから「黄金男爵」とか「栗じゃが」などとも呼ばれ、人気・消費ともに伸びている種類です。

かしこい保存方法

芽の部分や緑化した皮の部分にはソラニンという有害物質が含まれているので芽が出る前に使い切るのが大前提です。光が当たるとソラニンなどのアルカロイド系の成分が生成され「エグ味」がすこしずつ増えてくるので、日光や蛍光灯などの光が当たらないように保存するのがポイント。大量に手に入ったらリンゴ1~2個と一緒に保存すると、リンゴから発生するエチレンガスにより発芽が抑えられます。

常温:15℃以下で、暗く通気性のよい場所なら収穫後3ヶ月は芽を出しません。ビニール袋は水分がたまり傷みやすくなるので、紙袋、麻袋、新聞紙に包んで保存しましょう。

冷蔵:新聞紙に包み、ビニール袋に入れて冷蔵すれば長期保存が可能です。5℃位の暗所が理想です。0℃近くになると、でんぷんの糖化が進みやすいので野菜室に入れてください。味が甘くなる反面、焦げやすくなりホクホク感がうすれるマイナス面もあります。

冷凍:生のままで冷凍し解凍するとフカフカになってしまうので、ゆでた後にマッシュしてから冷凍するのが一番です。
製氷皿などを使い、小分けして凍らせると、調理するのにとても便利です。

徳江千代子 東京農業大学客員教授 「食品の保蔵・加工における多様な食品機能」をおもなテーマに研究を続ける。野菜や果物の成分、栄養、保存方法、食品の賞味期限や保存方法等に詳しい。著書「野菜がいちばん」(いしずえ)、監修書「賞味期限がわかる本」(宝島社)、「野菜と果物を安心して食べる知恵」(二見書房)等、他多数、日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「はなまるマーケット」等多くのメディアに出演。

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