東京農業大学 x 経堂コルティ 未来の子どもたちのために、食材の旬と安心の知恵を知りましょう! すくすくコルティーレ

さつまいもは風邪の季節や生活習慣病予防の強い味方。

【安心ワンポイント】 農薬などが残っている可能性がありますので、水を流しながらスポンジなどを使って表面をよくこすって洗い流します。くぼみにある泥もよく落とします。皮の近くに食物繊維などの栄養素が集中しているので、できればさつまいもは皮をきれいに洗って料理するのがベストです。むく場合は薄くむくのが料理のポイントです。

さつまいもはコラーゲンの生成を助け、風邪やストレス対策に有効で、加熱調理しても壊れにくいビタミンCを豊富に含んでいます。他のイモ類には少ない抗酸化作用のあるビタミンEが多いということも特徴です。高血圧に有効なカリウムやエネルギー代謝に必要なビタミンB1、B2も多く含まれ、神経の働きを正常にしています。食物繊維はじゃがいもの約2倍含まれ、コレステロールや血糖値の低下、ガン予防、便秘の改善に役立ちます。

さつまいも特有成分に、切り口からにじみ出る白い乳汁はヤラピンと呼ばれる樹脂の一種で、便を軟らかくし、便通を促す作用があります。肉質が紫色のさつまいもは抗酸化作用、抗ガン作用のあるポリフェノールの一種アントシアニンが多く含まれています。このようにさつまいもは生活習慣病予防のための健康食品であるのでおおいに食べましょう。

選び方のポイント

選ぶときのポイントは、皮の光沢と太り具合です。紅色が濃く皮につやとハリがあり表面がふっくらとなめらかで、ずんぐりして太く紡錘形のものが良品です。極端に細いものや黒い斑点、傷があるものは避けましょう。くぼみが浅く、芽が出てないもの、ひげ根があるものは繊維が多いので避けます。
旬は9~11月ですが、貯蔵することにより、水分がぬけて糖度が上がるので1~2月出回るものは、甘味が増して美味しくなります。

かしこい保存方法

さつまいもの保存方法は、泥つきの状態であればポリ袋などに入れず、新聞紙で包むか、ダンボール箱に入れて陽の当らない風邪通しの良い冷暗所で保存するか、凍らない深さの地中に埋めても長期保存できます。
さつまいもは低温に弱く、最適の保存温度は10~14℃前後で、冷蔵庫での長期保存には向いていません。水洗いされたさつまいもは、水分をすっているため腐りやすいので、ビニール袋に入っていたら出して新聞紙にくるみ常温に保存します。基本的に保存には向かないので早く食べましょう。

徳江千代子 東京農業大学客員教授 「食品の保蔵・加工における多様な食品機能」をおもなテーマに研究を続ける。野菜や果物の成分、栄養、保存方法、食品の賞味期限や保存方法等に詳しい。著書「野菜がいちばん」(いしずえ)、監修書「賞味期限がわかる本」(宝島社)、「野菜と果物を安心して食べる知恵」(二見書房)等、他多数、日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「はなまるマーケット」等多くのメディアに出演。

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