東京農業大学 x 経堂コルティ 未来の子どもたちのために、食材の旬と安心の知恵を知りましょう! すくすくコルティーレ

大根の“辛み”が殺菌や血栓・ガン予防に

【安心ワンポイント】 葉の根元や皮の部分に農薬などが残っている可能性があります。根を使う際にはその最上部分を1センチほど切り捨てましょう。皮をむく際には少し厚めにむくように心がけましょう。葉はボウルに張った水の中で良くこすり洗いしましょう。茎を3センチほどの長さにざく切りし、一度さっと熱湯に通しておくと安心です。

大根は、すりおろすと辛くなるアリルイソチオシアネートという辛味成分が含まれています。
胃液の分泌を促し、腸の働きを助け、ガンや血栓を予防する働きが有ります。
アリルイソチオシアネートは“大根おろし”などで組織が破壊されると生成され、吸収しやすくなるので、“大根サラダ”などにして食べる時は良く噛むことが大切です。
この辛味成分は大腸菌を死滅させるほどの殺菌作用があります。
大根の葉は緑黄色野菜の仲間でカロテン、ビタミンC,カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維などが豊富に含まれています。
捨てずに料理に使いましょう。

なお、“切干し大根”は干して水分が減少しているのでカリウム、カルシウム、鉄、食物繊維などが生の10倍以上と非常に多く、ミネラルや食物繊維の宝庫です。大根は根も葉も捨てるところがありません。
完全利用食品です。

選び方のポイント

大根はしっかりと太り、ずっしりと重くて白くハリがあるものが新鮮です。
葉の付いたものは、茎から葉までイキイキとしてみずみずしいものを選びましょう。
カットものは切り口のきめが細かく“ス”が入っていないものを選びます。“ス”が入っているかどうかの見分け方は、付いている葉の茎を折ってみて、そこがスカスカだったら大根にも“ス”が入っていると思って良いでしょう。

また、ヒゲ根の痕が少ないほど緻密な肉質を持った良品です。ヒゲ根の穴が一直線に並んでいるものは美味しいと言われています。
大根は部位により味が違うので、料理方法を上手に使い分けるとより美味しく食べることができます。大根は先端が辛いので大根おろしに、中央は煮物に、葉の付け根は甘いのでサラダなどに向きます。葉を入れて大きく4つのパートに分けておくと便利です。

かしこい保存方法

大根の保存方法は、葉の付いたままで保存すると葉に養分を取られ、葉の部分から水分が蒸発し、あっという間にしなびてしまい、“ス”が入るので必ず葉を切ってから全体をペーパータオルや新聞紙で包んでビニール袋に入れてから冷蔵庫の野菜室で縦に保存すると鮮度が保てます。
また、半分にカットされて売られている大根も切り口から水分が蒸発してしまうので、しっかりラップに包んで保存しましょう。
大根の葉はいたむのが早いため、切り落としたらすぐに茎を3センチほどの長さにざく切りし塩もみにしたり、固ゆでにして冷めてからラップに包んだり、タッパーなどで冷凍保存しておけば味噌汁や炒め物の具材として調理の際に利用出来ます。

大根を使いきれない時は、半月切り、イチョウ切りなどにして固ゆでした後、急冷して保存袋に移します。
大根おろしも冷凍可能です。
また、いろいろな切り方で料理に合わせて切り、天日干しや陰干しにして乾燥させます。
味が良く浸み込むので煮物やスープに入れるのもおすすめです。

徳江千代子 東京農業大学客員教授 「食品の保蔵・加工における多様な食品機能」をおもなテーマに研究を続ける。野菜や果物の成分、栄養、保存方法、食品の賞味期限や保存方法等に詳しい。著書「野菜がいちばん」(いしずえ)、監修書「賞味期限がわかる本」(宝島社)、「野菜と果物を安心して食べる知恵」(二見書房)等、他多数、日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「はなまるマーケット」等多くのメディアに出演。

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