成城を歩く

静嘉堂文庫美術館・静嘉堂文庫

緑と静寂に包まれて国宝級の美術品に出会う

世田谷区岡本の閑静な住宅街。木々に囲まれてひっそり構える門をくぐると、そこに現れるのは、街の喧騒とは縁遠い、静かで落ち着いた風景。うっそうと覆い茂る深い緑に、池や川のせせらぎが優しく響き、清々しい空気が満ちあふれています。
もともと三菱財閥・岩﨑家が所有する霊廟の置かれたこの場所。今も自然が多く残る敷地内に、静嘉堂文庫美術館と静嘉堂文庫は佇みます。レンガ造りが瀟洒(しょうしゃ)な文庫には、和書や漢籍など、およそ20万冊という膨大な数の古書を収蔵(静嘉堂文庫は一般公開されておりません)。美術館では、国宝、重要文化財を含む約6,500点の東洋古美術品を、順次に公開しています。

国宝「曜変天目茶碗」

国宝 俵屋宗達筆「源氏物語関屋・澪標図屏風」のうち「澪標図」

それらをコレクションしたのは、三菱二代目社長・岩﨑彌之助とその息子・小彌太。西欧文化が重んじられる世相にあった明治期、彌之助は東洋固有の文化財を愛し、絵画、彫刻、書跡などを本格的に収集し始め、小彌太の代でさらに拡充されました。美術品のなかには、世界に3点しか現存しないといわれる、中国・南宋時代に作られた国宝「曜変天目茶碗(稲葉天目)」、国宝の俵屋宗達筆「源氏物語関屋・澪標図屏風」など、極めて貴重な作品が多数。彌之助・小彌太の芸術への愛情によって守られてきた名作たちを、ぜひ一度ご覧ください。

静嘉堂文庫美術館・静嘉堂文庫

〒157-0076 東京都世田谷区岡本2-23-1
TEL:03-3700-0007(静嘉堂文庫美術館) 03-3700-2250(静嘉堂文庫)
美術館開館時間/10:00~16:30(入館は閉館30分前まで)
美術館休館日/月曜日(祝日の場合はその翌日)、展覧会期間以外
美術館入館料/一般1,000円、大高生800円、小中学生無料
アクセス/小田急線「成城学園前」駅より二子玉川駅行きバス「世田谷総合高校」または「吉沢」下車徒歩約7分
※静嘉堂文庫のご利用、蔵書の閲覧には事前手続きが必要となります。
※美術館は2015年10月31日(土)よりリニューアルオープン。展覧会の詳細はホームページをご覧ください。
http://www.seikado.or.jp/

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