成城を歩く

成城四丁目十一山市民緑地と神明の森

深緑散歩でリフレッシュ成城の神秘の森を訪ねる

世田谷という都会的な雰囲気がありながら、豊かな自然がところどころで育まれている成城の街。これらは国分寺崖線の恩恵で、長い年月をかけて作られ、保たれてきたものです。なかでも、成城四丁目の一帯に広がる森林は緑深く、都会の里山といった雰囲気。その一角にある「成城四丁目十一山市民緑地」は、誰でも自由に散策できるよう公開されています。入口の細い階段を上っていくと、そこは静けさが漂う癒しの空間。木がうっそうと覆い茂り、清涼な空気が漂います。小さな緑地なので、お散歩途中のちょっとした寄り道にもぴったり。土の感触を足に感じながら、緑地を歩けば、リフレッシュできること間違いなしです。

さて、この緑地を後にしたら、次に向かいたいのが「神明の森」。緑地から5分ほどの場所にある、同じく成城四丁目一帯の森林の一部です。ここは、都内で絶滅危惧種に指定されている動植物が数多く残るサンクチュアリで、普段は立ち入ることができません。しかし、フェンス越しにも樹木や昆虫の息吹が伝わってくるほど、神秘的な存在感を放っています。クヌギやコナラなどの木々が醸し出すムードはもちろん、何より静謐(せいひつ)さを際立たせているのが、森に佇む「みつ池」。東京23区に2ヶ所しかないというゲンジボタルの自生地でもあるので、夏には、落日のころに合わせてお出かけしてみてはいかがでしょうか。森が織りなす暗がりに、儚く飛び交う優しい灯りが見られるかもしれません。

森の奥に潜む上神明遺跡

成城四丁目にある神明の森。実はこの区域には、貴重な自然とともに、貴重な遺跡も存在しています。「上神明遺跡」と呼ばれるそれは、先土器時代から古墳時代の遺跡。70年代から本格的な調査がはじまり、かまどの跡や住居跡、土器などが発掘されました。さらに、森の奥からは古墳時代の横穴墓も発見。古くからこの土地に集落があったことをうかがわせます。成城に暮らした先人たちを偲ぶ…そんなささやかなひとときを、過ごしてみてはいかがでしょうか。

成城四丁目十一山市民緑地と神明の森

世田谷区成城4-20(成城四丁目十一山市民緑地)
アクセス/小田急線「成城学園前」駅より徒歩約15分
緑地公開時間/9:00~17:00(11月~3月までは16:00まで)
休園日/年末年始

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