東京農業大学 x 経堂コルティ 未来の子どもたちのために、食材の旬と安心の知恵を知りましょう! すくすくコルティーレ

整腸作用やダイエットにも役立つ「はくさい」

【安心ワンポイント】 外葉を1枚取り除き、根元に流水を当てながら土を流しておきます。加熱しないで食べる場合は、葉は1枚ずつはがして流水できれいに洗いましょう。

はくさいの95%以上は水分で占められていますが、体から塩分を排出するのに必要なカリウムを豊富に含むほか、整腸作用のある食物繊維も多く含みます。さらに、辛味成分のアリルイソチオシアネートも含まれ、消化を良くする作用や血液サラサラも期待できます。旨み成分であるアミノ酸や糖も豊富で、かすかな甘みはくせがなく、どんな料理にも合わせやすいうえカロリーか低いので、ダイエットに役立つ食材としても注目されています。

はくさい料理といえば、漬け物がポピュラーですが、塩漬けやキムチにすることで、さらに栄養価がアップします。外側の、大きな葉先は巻き物や蒸し物に、中間から下部は炒め物や鍋物に、内側のやわらかい葉はサラダに使うなど、部位により、それぞれの持ち味を生かして調理をすると、よりおいしく食べることができます。

選び方のポイント

「秋冬はくさい」(10~3月)が、出荷量も味もピークになります。春もの、夏秋ものは小ぶりです。いずれも胴がよく張っていて、尻が丸みを帯び、手で持つと弾力性があり、ずっしりと重量感のあるものを選びましょう。

葉が薄く薄緑色に縮れていて、黄ばみが無く巻きがしっかりしているもの。さらに葉先をしっかり巻き込んでいるどんぐり型を選びましょう。胴の白い部分にみずみずしさとつやがあり、株の切り口がかさついていないものは新鮮です。

カットされている場合、中心付近は成長を続けるので、時間がたったものは芯が膨らみ、鮮度が落ちている証拠になります。切り口がみずみずしいものを選び、葉がしっかり詰まっていて中心部分が盛り上がっておらず、中心部分の直径が全体の直径の3分の1以下のものが新鮮です。また、芯にゴマのような点があるものは避けましょう。

かしこい保存方法

保存性に優れており、秋冬期は新聞紙に包み冷暗所に立てて保存すれば、半月は持ちます。
新聞紙がぬれると傷みやすいので湿ってきたら取り替えてください。葉菜類の中では栄養成分の減少が少ない方ですが、カットものは
減少しやすいので早めに使います。いずれも横にすると呼吸量が増加し品質低下を招くので立てて保存します。

常温:「冬はくさい」は新聞紙に包んで冷暗所に立てて常温保存できます(「夏はくさい」は不可)。半割したものは常温保存できません。
成長を止めるために必ず芯を切り取ってからラップで包み、野菜室で冷蔵しましょう。

冷蔵:春夏に出回るはくさいは傷みやすい品種です。カットしたものを使う分だけ買い求め、4~5日で使いきるようにしましょう。
食べ残した分はラップで包み、冷蔵庫のポケット部分に立てて保存します。

冷凍:葉を1枚ずつはがし、葉、芯、軸に分けて固めに茹でます。冷水で冷まして水気を絞り、料理に合わせて切って小分けして急冷します。また、太めの細切りを塩もみして水分を絞り、小分けして急冷します。2か月位は充分に持ちます。使う時は解凍せずに炒め物や煮物に使います。

漬ける:糠漬け、塩漬け、キムチなどがあります。天日で干してから漬けると味わいがアップします。保存袋を使えば少量でも漬けられます。

徳江千代子 東京農業大学客員教授 「食品の保蔵・加工における多様な食品機能」をおもなテーマに研究を続ける。野菜や果物の成分、栄養、保存方法、食品の賞味期限や保存方法等に詳しい。著書「野菜がいちばん」(いしずえ)、監修書「賞味期限がわかる本」(宝島社)、「野菜と果物を安心して食べる知恵」(二見書房)等、他多数、日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「はなまるマーケット」等多くのメディアに出演。

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