東京農業大学 x 経堂コルティ 未来の子どもたちのために、食材の旬と安心の知恵を知りましょう! すくすくコルティーレ

造血ビタミン・葉酸がたっぷりのブロッコリー

【安心ワンポイント】 残留農薬は茎やつぼみに残っています。切り分けた小房は、塩水に浸し、30秒ほど振り洗いします。さらに軽くゆでこぼすことでした処理は万全。小房を切り離した太い茎の部分は、水洗いした後、軽くゆでこぼし、残っている枝を包丁で切り離し、固い表面の部分も厚めにむいてから使いましょう。

ブロッコリーはキャベツ、カリフラワーの仲間でアブラナ科野菜の緑黄色野菜です。
ほうれん草と並ぶほどビタミン類とミネラル類がバランス良く含まれて、特にビタミンCはレモンの2倍、みかんの4倍含まれ、風邪やインフルエンザ予防に効果抜群。
ブロッコリー3分の1個で、成人の1日当たりに必要なビタミンCを充分に補給できます。「造血ビタミン」といわれる葉酸が、他の食材と比べて非常に多く、鉄、カロテンも多いことから貧血予防、動脈硬化予防に効果があります。ビタミンKはカルシウムが骨に吸着するのを助け、骨粗鬆症を予防します。
さらに、抗酸化作用や胃潰瘍の原因となるピロリ菌を抑制するスルフォラファンが多く含まれています。

アクがなく加熱するとほんのりとした甘味。調理もしやすいため、毎日少しずつでも食卓にのせたい野菜の一つです。

選び方のポイント

寒い地域のものが春先に出回っていますが、美味しくなるのは冬11~3月にかけてです。冬場の紫がかったものは甘味が強いです。

選び方のポイントは、緑色が濃い、外葉がしおれていない、蕾の隙間がない、中央の部分がこんもりと盛り上がっており、全体にしまりがあり、密集し固く閉じたものを選びましょう。株の切り口がみずみずしいかも確認してください。
茎にスが入ったものや切り口が茶色のものは避けましょう。
色が黄色くなっているものや花の咲いているものは、味や栄養価が落ちるので注意が必要です。

ブロッコリーは“つぼみ”の集まった部分が好まれますが、茎や葉の部分も甘味があり美味しく、栄養がたくさん含まれているので、捨てずにぜひ食べたいものです。

かしこい保存方法

ブロッコリーはつぼみと茎をたべる野菜です。常温に置いておくと花が咲き、茎にはスが入り、味がどんどん落ちてしまいます。

生の状態で冷蔵するときは、つぼみをキッチンペーパーでしっかり包み、その上からラップで全体を覆い、ビニール袋に入れて野菜室に立てて保存します。数日~1週間ぐらい保ちます。

ゆでて保存するときは、熱湯に塩を少し加えて固い茎の部分から入れ、歯触りが残るくらい少し固めにゆでます。ゆでたら、さっと水にさらし、ざるに上げて、うちわなどであおいで冷まします。キッチンペーパーで水気を取った後、ビニール袋に入れて冷蔵します。

冷凍保存する時は、小房に分けて固めに塩ゆでしたら、ざるに移して冷まします。手でギュッと水気を絞り、さらにキッチンペーパーで水気を取ったら急冷します。凍ったらフリーズバッグに入れて冷凍します。

干して保存する時は、下処理をして小房に分け、茎は縦にいくつかに切り分けて天日干し、陰干しで乾燥させます。水に戻して使ったり、煮物やスープにそのまま入れたりします。

徳江千代子 東京農業大学客員教授 「食品の保蔵・加工における多様な食品機能」をおもなテーマに研究を続ける。野菜や果物の成分、栄養、保存方法、食品の賞味期限や保存方法等に詳しい。著書「野菜がいちばん」(いしずえ)、監修書「賞味期限がわかる本」(宝島社)、「野菜と果物を安心して食べる知恵」(二見書房)等、他多数、日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「はなまるマーケット」等多くのメディアに出演。

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